開放的な吹き抜けを作りたい!メリットとデメリットをまとめました
2019年11月08日注文住宅では開放的な吹き抜けを作りたい状況になることがあります。明るさや開放感、家族が孤立しないなどのメリットがありますが、音が響きやすいことや、冷暖房費がかさむデメリットもありますので、家全体のバランスを考えた採用が必要です。吹き抜けの定義は1階と2階が仕切られないでひと続きにつながっている上下階の部分、と言えます。3階建ての場合も2層以上の階がつながっている部分は該当します。
注文住宅で吹き抜けがメリットとなるのは、家族が孤立しないことと、明るさからくる開放感です。家族が個室にこもりがちな場合でも、空間でつながることにより一体感を感じることができます。吹き抜けには建築基準法上も定義され、防火などの規定があります。法律上も容積率の算定に使う面積には入らず、空間の節約の意味もあります。家全体のバランスを考慮して設けることは、楽しい生活空間をつくることになります。
吹き抜けのデメリットである音が響きやすいことは、そのことを理解した上で設置すれば問題はありません。冷暖房には不利になっても、その前提を納得できれば無駄にはなりません。一方、構造上の問題があることも知っておく必要があります。1階と2階の間に床は構造上必要な部分となり、地震の時に剛性を高める役目をします。その部分が一部でも欠損すると、構造上は不利となります。別な方法で補強することは可能ですが、強度を弱めることにはなってしまいます。
家が小規模な場合は積極的な吹き抜けの利用が正解な場合があります。面積が小さすぎて窮屈になる場合に、上下の空間を連続させることで開放感を得て、広く見せることが可能です。逆に無駄になるのは意味の無いつくりかたです。階段に合わせてつくってみても、あまり効果がでないこともあります。しかし、上階から光を取り入れる目的の場合は、うまくいくこともあるのです。
吹き抜けは一般に工事費の上昇につながります。床の部分は少なく済みますが、壁の仕上げが多くなります。付加の構造的な補強も必要で、無駄な設置は控えることが必要です。吹き抜けを効果的に見せるには、化粧梁の設置が効果的です。空間がだらしなく連続しているよりも、一定の区分けがなされることで、締まった空間に変貌するのです。吹き抜けの部分は家全体の見せ場ともなります。照明は明るくし、飾りの豪華なつくりも効果があります。家全体のバランスを考慮した設置は、空間の豊かさを増してくれるでしょう。